SSCG 2021を勉強会用にまとめていますがその中に興味深い文献があったので紹介
MRSA感染症のリスクが高いときにバンコマイシンなどでカバーしましょう
MRSA感染症のリスクファクターは
- 過去のMRSA感染症や保菌
- 静注抗菌薬の使用歴
- 繰り返す皮膚軟部組織感染症・慢性の傷
- 侵襲的なデバイスが留置されている
- 血液透析
- 直近の入院歴
————————————————————————————–
初期治療でMRSAカバーしたほうがむしろ死亡率高くなる。MRSAカバーは疑われる場合に行おう
Empirical Anti-MRSA vs Standard Antibiotic Therapy
and Risk of 30-Day Mortality in Patients Hospitalized for Pneumonia
JAMA Intern Med. 2020 Apr 1;180(4):552-560.
doi: 10.1001/jamainternmed.2019.7495.
PMID: 32065604
多施設コホート研究
propensity scoreを用いて患者の背景因子(年齢・性別・基礎疾患などなど)を調整したうえで
経験的治療としてMRSAカバーにバンコマイシンまたはリネゾリドを用いられた患者では
- 30日死亡率高い
- AKI率高い
- その後のCDI発症増加
- VRE感染症率増加
- その後のGNR感染症増加