成人のてんかん

今週のNEJMのReviewに成人のてんかんが載っていたので紹介

Initial Management of Seizure in Adults

N Engl J Med 2021;385:251-63.

DOI: 10.1056/NEJMcp2024526

 

成人の初回てんかん発作の再発率は60%と高く、2年以内に起こることが多い。

てんかんの診断は2回以上のてんかん発作でそれが24時間以上の間隔があいている。

 

てんかん疑いで鑑別しなければいけない疾患・症候は

・真のてんかん(機能性てんかん or 2次性(症候性)てんかん

・失神

・Psychohenic nonepileptic seizure PNES

 

症候性てんかんはアルコール離脱、コカイン・アンフェタミン、低血糖・低Na血症、脳卒中、脳炎などで起こる

 

てんかんの症状は焦点と広がり方により様々。

 

てんかん疑いの患者を診察するときには身体所見も意識して取りに行く

神経線維腫症NF1

結節性硬化症の葉状白斑

PNESの自傷痕

大動脈弁狭窄症の所見(心音・頸動脈)

姿勢による血圧の変化

眼底所見(脳圧亢進のサイン)

 

血液検査では

血糖値

Ca,Mg,Na

初回のてんかん疑いではECGは必須。てんかんの家族歴に加え、心疾患の家族歴を聞いておく。

 

画像検査はCTが簡便だが皮質異形成や脳腫瘍を疑うならMRIの方がよい。

 

脳波検査はてんかんを疑う症状があったらすぐに実施するほうがよい。

てんかん発作疑いから24時間以内にEEG検査を行うと51%、24時間以降だと34%で異常所見が見つかったという文献あり。

ビデオモニタを用いない場合てんかんの診断となった症例の20%は誤診である。脳波を読むのは難しい。

 

てんかんの治療は今後10年以内にてんかん発作を起こすリスクが60%以上の場合に治療を検討する。

てんかん治療の目標は“発作ゼロ”“薬剤有害事象が最小限”

てんかんを有する患者ではてんかん関連の予期せぬ死亡は1.2例/1000人/年

 

初回てんかんから治療を行った群と2回目以降から治療した群ではてんかんの再発率は32% vs 39%と初回から治療介入を行ったほうが再発率は低かったが長期的なてんかんの寛解では有意差がなかった。薬剤有害事象は初回群39%,2回目以降群31%と初回群に多く、QOLではどちらも差はなかった。

上記よりてんかんの再発リスクが特別高くなければ治療開始は経過をみてからのほうが望ましい。またUKのように2回目のてんかんが運転免許に影響を与える場合にも治療開始を考慮する

 

治療はてんかんのタイプにより異なるため成書参照

 

生活指導では規則正しい睡眠、アルコール摂取の制限、決まった時間の抗てんかん薬内服が重要