グルココルチコイド使用に伴う副腎不全

グルココルチコイド使用による副腎不全

Glucocorticoid induced adrenal insufficiency GI-AI

 

BMJ 2021;374:n1380 | doi: 10.1136/bmj.n1380

 

グルココルチコイドを使用している患者は全人口の1-3%で、長期間使用しているものは0.5-1.8%

 

システマティックレビューやメタアナリシスではGI-AIの絶対リスクは48.7%ほど。喘息における吸入ステロイドでのGI-AIの絶対リスクは7.8%、塗布薬や鼻腔内投与例の絶対リスクは4.2-4.7%、関節内投与を受けている患者は52.2%。

投与方法によってGI-AIをきたすリスクファクターが異なる(元文献参照)

 

 

グルココルチコイドは消化管から吸収されると下垂体のACTHにネガティブフィードバックをかける。これが長期間続くとACTHの刺激を受けなくなるために副腎皮質の低形成や萎縮につながる。副腎萎縮が起こるとグルココルチコイドを中止しても内因性コルチゾルの分泌が元のレベルに戻るまで1年以上かかるケースもある。

 

 

短期的(2週間以内)の高用量のグルココルチコイド使用はすぐに副腎機能は戻り、通常はGI-AIをきたさないがGI-AIをきたしたCase seriesもある。

健常者に対するグルココルチコイド(2.5-60mg)を1週間投与⇒2週間のウォッシュアウトを3回繰り返した実験では経過中副腎不全になったのは5.4%(2/37なのでN数少な目)

 

GI-AIのハイリスク患者では

5㎎までテーパリングして1-4週間後にグルココルチコイド内服から24時間空けての早朝コルチゾル測定

3.6mcg/dL⇒GI-AIの診断。ハイドロコルチゾンへの変更を検討。数か月後再検。

3.6-10mcg/dL⇒GI-AIの可能性。ハイドロコルチゾンへの変更を検討。数週後再検。

10-12.7mcg/dL⇒GI-AIの可能性低いのでグルココルチコイド中止可。ただしSick dayルールあり場合によりステロイドカバー

12.7mcg/dL⇒GI-AIは否定的。グルココルチコイド中止。

 

 

GI-AIの症状

非特異的なものが多い。ステロイド投与を受けている患者では常に気を付けておくべき