月経困難症の診断とマネジメント

JAMAから
doi:10.1001/jama.2019.16921

 

1次性の月経困難症Dysmennorrheaは骨盤内の病気がないにも関わらず月経時に痛みを伴うことをいう。

産婦人科を受診する患者の受診理由で最も多く(50-90%)、受診する患者の半分はModerate-Severeな痛みを訴える

有病率は多いものの未診断が多く、また適切な治療を受けていない患者は多い

2次性の月経困難症は子宮内膜症、子宮筋腫・腺筋症、その他先天的な解剖の問題によりおこる月経困難症をいう

 

症状
繰り返す、差し込むような下腹部痛
患者によっては骨盤部痛や椎体付近、大腿の痛みを訴える患者もいる。
月経血の出現する数時間前または後から症状が出現し、2-3日で痛みが改善する経過を追っても痛みが改善せず増悪する場合は1次性の月経困難症とは異なるため2次性の月経困難症を考える。
その他月経と一致しない痛みや不正出血、不妊なども2次性を考える。

月経困難症は初経から6-24か月で発症するのが典型的
初経の時点から骨盤部痛を伴う場合は2次性の生殖器の解剖学的問題を考える。

 

痛みは月経時に子宮内膜が剥がれる際に放出されるプロスタグランジンとの関連がある。
⇒月経時に無症状の患者と有症状の患者の子宮内膜組織のプロスタグランジン濃度を比較すると有症状患者の方が有意に濃度が高い。

プロスタグランジンは平滑筋を収縮させる作用を持ち、月経時に子宮が過収縮することで低酸素や虚血が起こることで痛みや嘔気、下痢が出現するとされる。

 

月経困難症は日常生活に制限をきたすほどの患者も多いためただしく診断する必要がある。
といっても必ずしも産婦人科で診断してもらう必要はなくPrimary careでしっかりと問診を行うことで診断は可能。

 

治療
診断や治療が遅れてはならない
性的活動性が高くない思春期の、典型的な1次性の月経困難症の患者は画像検査や骨盤部診察は省略してもよい。
ただし治療しても改善しない場合は2次性の月経困難症を考え検査を実施するべきである。

青年期の患者は骨盤部の診察は必要、画像検査は上記と同様。

 

治療
First lineは経口避妊薬とNSAIDs

月経困難症の患者においてNSAIDsはアラキドン酸カスケードのCOXを阻害することでプロスタグランジン産生を抑制し、痛みを軽減する

NSAIDs内服の際は症状出現または月経血出現時から内服させ2-3日内服を続けさせる(頓服ではダメ)

経口避妊薬はエストロゲン-プロゲスチン製剤がよく用いられ子宮内膜の増殖を抑えることでプロゲステロン産生を減少させる。

ただしプロゲスチン単剤などその他の経口避妊薬製剤でも月経困難症の改善効果が様々なRCTでみとめられている