悪性腫瘍と体重減少

体重減少を主訴に受診した患者にどのようなときに悪性腫瘍の否定が必要か?
BMJ 2019;366:l5271 doi: 10.1136/bmj.l5271 (Published 23 September 2019)

体重減少の明確な定義はない
多くの研究は6-12か月で5-10%以上の体重減少を体重減少とすることが多い

ある研究では大腸癌における体重減少のオッズ比は5-9.9%で1.2、10%以上で2.5となった。
⇒体重減少は悪性腫瘍を示唆する大事な病歴

あるシステマティックレビューでは60歳以上の体重減少を主訴に受診した患者の10人に1人が悪性腫瘍だった。

体重減少をきたしやすいのは
前立腺
大腸

食道-胃
膵臓
リンパ腫
卵巣
骨髄腫
尿路
胆管

 

重要なことは体重減少は悪性腫瘍のどの病期でもおこりうることである。
サイトカイン・蛋白・ホルモン・代謝の変化
症状によるうつ・痛み・倦怠感
消化管の問題(味覚変化、物理的障害、吸収不良など)
腫瘍によるカヘキシア(筋量の低下)

 

悪性腫瘍以外で体重減少をきたすものは
心血管:末期慢性心不全
代謝:副腎不全、糖尿病、甲状腺機能亢進症
消化管:下痢症、腸炎、吸収不良
感染症:慢性感染症(TB,HIVなど)
薬剤:抗うつ薬、抗てんかん薬、利尿薬、緩下薬など
神経:認知症、多発性硬化症、神経筋疾患、パーキンソン、脳卒中
精神:神経性食思不振症、不安、うつ
腎臓:末期慢性腎不全
呼吸器:COPD、間質性肺炎
免疫:血管炎やRAなど
社会的:アルコール多飲、ネグレクト、オピオイド使用、口腔内衛生環境不良、貧困、喫煙