患者が薬剤アレルギーと言ってきたら・・・

抗菌薬を内服して下痢になったからアレルギーがありますという患者は結構いますね。
今後の治療に関わってくるおそれもあるため“アレルギー”の時の詳細を聞いておきましょう。

 

The patient who reports a drug allergy
BMJ 2020;368:l6791

 

患者が薬剤アレルギーと言ってきたら・・・

薬剤を内服したあとにおきた有害事象≠薬剤有害事象adverse drug reaction (ADR)
アメリカ人の10人に1人がペニシリンアレルギーとラベリングされているが、実際に真のペニシリンアレルギーは100人に1人程度である。

免疫性の反応で危険なのはアナフィラキシーとTEN/SJSである。
これらが起きるのは稀である。
ペニシリンにより起きる非重症な反応は発疹で、95%が多形紅斑、5%が蕁麻疹である

非免疫性の反応は
G6PD欠損症患者に対するaspirin,primaquine, sulfonamide投与で起こるcatastrophic haemolysis
悪性高熱に対する麻酔薬
腎毒性・肝毒性をもつ薬剤による腎障害・肝障害

ADRの程度は薬剤の投与量も大きく関わる。

“薬剤アレルギー”がありますと言ってきたら
“どんな疾患に対して使われて、どれくらいの投与量・投与期間でしたか?”
“投与されてどれくらいで症状がでましたか?”
“どんなアレルギー症状がありましたか?”
の問診をしましょう


35歳女性が膿痂疹を主訴に受診。
フルクロキサシリンを処方しようとしたところ彼女は“ペニシリンアレルギーがある”と言ってきた。
そのときの状況について詳しく聞いてみると
10代のときに咽頭痛があり、アンピシリンを内服したところ麻疹のような発疹が全身性に出現したという。

Epstein-Barr virus感染症の際にペニシリン系薬を内服すると麻疹の際に出現する発疹と似た発疹がでるのは有名である。

この患者はアンピシリンやアモキシシリンに対して軽度のアレルギーをもっている“可能性”はあるが他のペニシリン薬は安全と考えられる。
この患者にはもし発疹が出たら内服を中止し再診するよう説明しフルクロキサシンを内服する方針となった。