眼窩の炎症の鑑別

N Engl J Med 2018;378:1143-52.
DOI: 10.1056/NEJMcpc1800321

55歳男性
診断:悪性リンパ腫

HIV感染症を指摘されART治療を始めてから耳下腺の腫大が出現してきたため精査目的で受診した患者

鑑別
唾液腺の腫大の鑑別

IRIS
Immune Reconstitution Inflammation Syndrome
HIV感染症において、強力な抗HIV治療(Highly Active Anti-retroviral Therapy: HAART)を開始すると、血中HIVウイルス量の減少とCD4数の上昇が認められ、免疫機能が回復してくる。この過程において、臨床症状が一過性に増悪する例が観察され、これが免疫再構築症候群(Immune Reconstitution Inflammatory Syndrome: IRIS)と呼ばれている。これは、すでに体内に存在している病原に対し、回復(再構築)された免疫機能が反応することで、炎症反応が増悪することの現れであると考えられている。特に、HAART前にCD4数が低値(<50 cells/μL)である症例が、HAARTによって短期間に急速にCD4数を回復させた場合に、それ以外の症例(CD4数>50 cells/μL)に比べて起こる頻度が高いとされ、結核(肺・肺外)、非定型抗酸菌症、ニューモシスチス肺炎、サイトメガロウイルス感染症、トキソプラズマ脳症、クリプトコッカス症、進行性多巣性白質脳症、帯状疱疹、単純ヘルペス、カポジ肉腫などの発症が報告されている。発症の時期にはばらつきがあり、HAART開始後数日から12週以降と広く分布はするが、なかでも治療開始後8週未満の報告が多い。重症の場合には、ステロイド療法の併用を行う例や、HAARTを一時中断する例もある。

感染症
ウイルス性⇒ムンプス、アデノウイルス、CMV、インフルエンザ、パラインフルエンザ

急性感染性耳下腺炎
Staphylococcus aureus
streptococci
gram-negative bacilli
anaerobic bacteria

結核、NTM(M avium)

自己免疫疾患
IgG4関連、シェーグレン

悪性リンパ腫