免疫性血小板減少症  1系統の血球減少 血小板減少

N Engl J Med 2019;381:945-55.
DOI: 10.1056/NEJMcp1810479

 

免疫性血小板減少ITP

患者は無症候性のことが多く、ときに口腔内出血や致死性の出血性疾患となる。
ITP患者のうち5%が重篤な出血性疾患をきたす。
有病率は10万人あたり2-4人
発症年齢は2峰性にピークがあり20-30歳(やや女性が多い)、60歳(性差なし)
すぐ寛解する患者もいるが70%の患者は慢性的な血小板減少となる。
出血トラブルに関係なく、倦怠感やQOL低下を訴える

静脈血栓症のリスクは健常人と比較し2倍も高い

病態生理はまだ完全には判明していない。
古典的には抗体のついた血小板が脾臓や肝臓で破壊されることで起こるとされる。
補体による破壊や巨核球の機能阻害なども起こす。
しかし抗血小板抗体は半数の患者でしか特定されないためその他のメカニズムもあると考えられる。

ITPの鑑別疾患
偽性血小板血症
腎・肝疾患
MDS、急性白血病
再生不良性貧血
遺伝性疾患Bernard-Soulier syndromeなど
TTP
HIT

2次性のITP
薬剤性(キニン、キニジン、アセトアミノフェン、アブシキシマブ、カルバマゼピン、リファンピシン、バンコマイシンが頻度多い)
リンパ増殖性疾患(CLL、ホジキンリンパ腫)
免疫不全
感染症
自己免疫性疾患(SLE , RA , APS)
Evans syndrome

診断
ITPは血小板が10万/mcL以下でその他の血小板減少症の除外ができている場合に診断される。上記鑑別・二次性をチェック!
末梢血のスメアで破砕赤血球や形態異常のチェックを行う。

抗血小板抗体の陽性率は50-60%であり診断目的の測定は推奨されない。
日本ではPAIgが測定されますが、上昇する疾患に感染症, 癌, 急性白血病, 全身性エリテマトーデス(SLE), 薬物性血小板減少症があり

診断目的でも除外目的でも有用性は非常に低いです!!
むやみに測定しITPと診断され、不要なステロイド投与を受けている患者が非常に多いです!!!!

 

骨髄の評価はITP疑いでは推奨されず、その他の血球異常を伴う場合やITPの治療効果が乏しい場合に考慮される。

治療
活動性の出血がある場合
抗凝固・抗血小板薬の中止
グルココルチコイド投与
IVIG
血小板投与
トラネキサム酸

グルココルチコイドやIVIGのエビデンスは規模の観察研究のみ
血小板投与は数時間の一過性の効果しかないためその他の治療を併用しなければならない
IVIG投与から1-4日で80%の患者が血小板の立ち上がりをみせる。効果は1-2週続く。
明確な適応はないが血小板1万以下で活動性出血がある場合に投与を考慮する。
IVIG単独よりもグルココルチコイドを併用したほうがIVIGの効果が長く続く。

 

出血予防
無症候性または軽度の粘膜出血がある場合
血小板数2-3万以下なら治療を考慮する
(入院を要するほどの出血リスクは25000以下で7倍、25000-50000で2.5倍)

 

グルココルチコイド
よく用いられるレジメンは2つ
Glucocorticoids
Prednisone or prednisolone* 1–2 mg orally for 1–2 wk,
徐々に漸減していく。効果なければすぐに中止
効果がでてくるのは1-2週経過してから
治療反応性は60-80%程度 治療中止してそのまま寛解状態となるのは30-50%

Dexamethasone* 20–40 mg orally for 4 days
every 2–4 wk; maximum of 4 cycles
治療反応性は60-80%程度 治療中止してそのまま寛解状態となるのは30-50%

その他治療
IVIG
トロンボポエチン受容体アゴニスト
リツキシマブなどなど

脾摘
現在でもITPに対して最も有効な治療
リスクはVTEと敗血症