低Na血症の鑑別 Reset osmostat

SIADHの鑑別にReset osmostatを

Reset osmostatは見逃されがち
SIADHと診断された患者の36%がReset osmostatだったという文献もある
Annu Rev Med. 1980;31:315-27.

ヒトの血漿浸透圧は視床下部にある浸透圧受容体細胞で感知され、275-295mOsm/kgの間でバソプレシンによりコントロールされている
Reset osmostatではこのバソプレシン分泌に関わる浸透圧のセットポイントが低下するために起こると考えられている。
低Na血症の治療を行うとバソプレシン分泌が起こり、口渇感が出現しセットポイントまで戻そうとする反応が起こる

Reset osmostatの病因は解明されていないが以下の疾患や病態での報告がある
TB
アルコール多飲
妊娠
心因性多飲
精神病
消化器悪性腫瘍
高齢者
Annals of Internal Medicine, vol. 84,no. 5, pp. 538–542, 1976.

検査
Reset osmostatとSIADHの鑑別はWater load test
ただしこのテストは低Na血症の増悪やVolume overloadを引き起こす恐れがあるため、SIADHと診断されるがReset osmostatが強く疑われる場合に行うべきである
Water load testのやり方は10-15mL/kgの自由水を経口または経静脈的に投与する。
健常人やReset osmostatの患者では自由水摂取により血症浸透圧低下やECF増加によりバソプレシン分泌が抑制され、4時間以内に投与した水の80%が排泄される。
排泄低下しているならば不適切なADH分泌がおきていると考える。
endotext, 2017, http://www.endotext.org.

治療
可逆性な疾患により起こっている場合は原疾患治療によりReset osmostatも改善する。
不可逆な状態であれば通常治療しない