胸痛の鑑別

参考
N Engl J Med 2019;381:1268-77.
DOI: 10.1056/NEJMcpc1900423

 

65歳女性 肺がん 胸痛
診断:PD1関連心筋炎

受診の6か月前に4日間続く腰背部・左脊柱起立筋・右側腹部の痛みで受診。
痛みは体動や吸気で増悪した。

画像検査では左肺にスピキュラを伴う結節影あり、その他の検査では左肺門部リンパ節腫大、胸椎の溶骨性変化などあり。生検でKRAS変異を伴う腺癌と診断された。

放射線療法とカルボプラチンで加療をしたがフォローの検査で進行。
その後も徐々に進行しNSCLCの治療として免疫チェックポイント阻害薬のニボルマブを導入された。

ニボルマブ開始し3週間後、背部痛や呼吸困難、食思不振、咽頭痛が出現。
さらにその2日後に新たな左側胸部の痛みと刺されるような非胸膜性の痛みが出現するようになった。
耐えられなくなりER受診し、精査したところ心電図に特異的な変化はないもののトロポニンTが上昇していた。

この患者での胸痛の鑑別
心筋梗塞
心外膜炎
肺塞栓
肺実質病変による痛み
心筋炎

PD-1ではUncommonだが心筋炎の報告がある(0.06-1.1%)
また、PD-1関連心筋炎では
不整脈
AVB
心原性ショック
なども合併する

心筋炎の証明には
心筋生検
心臓MRI
が有用だが、この患者では上記2つは難しく、限定的な報告であるがグルココルチコイドが有効との報告がある