意識障害

病歴と神経診察から神経系のどこが障害されているのかを考える、局在診断が神経疾患診断の第一歩です!

参考
N Engl J Med 2016;375:2188-93.
DOI: 10.1056/NEJMcps1603154

 

27歳女性 異常行動 Strange behavior
診断:抗NMDA受容体抗体関連脳炎  anti-NMDAR encephalitis

受診の7日前に嘔気と動悸を発症 その2日後に短期記憶障害と不安感が出現 さらに進行し興奮、幻視、幻聴、間欠的な筋強直、四肢の不随意な運動が出現し精査目的に受診

 

鑑別
中毒・代謝
薬物(特に興奮刺激系)
橋本病脳症

2次性の脳髄膜炎

神経系
症状ごとにどこが障害されているかを考える!
症状が単一であるなら以下の部位の障害を考える
側頭葉⇒記憶・幻覚memory loss hallcinations
頭頂-後頭葉⇒幻視visual hallcinations
基底核⇒筋強直、不随意運動

この患者の場合はFocal lesionは考えづらいため、脳炎や脳脊髄炎、脳髄膜炎は考慮した方がよい
脳炎で考えるのはHSVは頻度高い その他West Nile virusなども脳炎を起こす

抗NMDA受容体抗体関連脳炎は自己免疫性脳炎として有名
特にautonomic Hyperactivityが随伴するとされている ジストニアdystonia,舞踏病chorea,顔面のジスキネジアdyskinesiaも伴うとされる

抗NMDA受容体抗体関連脳炎は卵巣奇形腫Ovarian teratomaとの関連が指摘されており卵巣奇形腫を切除すると症状は速やかに改善するといわれている
この患者は卵巣に10mm*8mm*8mmの奇形腫があり、切除手術後症状は改善した

脳炎のうち自己免疫性脳炎は20%程度といわれている