意識障害 高アンモニア血症の鑑別

これは読んでいて非常に面白いと思った症例でした

参考
N Engl J Med 2017;376:972-80.
DOI: 10.1056/NEJMcpc1613462

 

73歳男性 意識障害、繰り返す鼻出血(epistaxis)

診断:肝性脳症 基礎疾患にHHT(Hereditary hemorrhagic telangiectasia:遺伝性出血性末梢血管拡張症,osler disease)

key:血管拡張症の家族歴 繰り返す鼻出血 門脈‐肝静脈シャント 身体所見

入院の1ヶ月前にも意識障害と浮腫で受診 門脈と肝静脈に奇形(シャント)があり、それによる肝性脳症と診断された

受診の数日前から鼻出血が止まらなくなり次第に意識障害を来すようになったため再診
鼻出血が消化管に入り、高タンパク⇒高アンモニアによる肝性脳症が考えられた

患者は子供の頃から鼻出血を繰り返しており、家族歴でも易出血性あり
身体所見では口唇や顔面、胸部などに毛細血管拡張あり
鼻出血・身体所見・家族歴HHTのcriteria(Curacao criteria)でdefinite

HHTでは肝機能正常でもmalformationのため肝性脳症を繰り返しやすい
シャントにより静脈血流が増加し高拍出性心不全や肺高血圧症をきたしうる 貧血も起きやすい

 

高アンモニア血症の鑑別には下記の5つの病態を考える
1)薬剤性:バルプロ酸,プロプラノロール,L-アスパラギナーゼ
2)栄養障害:L-カルニチン欠乏,亜鉛欠乏
3)感染症:ヘリコバクターピロリ感染症,ウレアーゼ産生菌による尿路感染症(緑膿菌やプロテウス)
4)門脈-体循環シャント
5)肝性(肝硬変、肝不全など)