急性腎障害+血小板減少の鑑別

腎障害+血小板減少では常にHUS,TMAを想起する

参考
N Engl J Med 2018;378:2421-9.
DOI: 10.1056/NEJMcpc1802827

 

19歳女性 AKI
診断:Aypical  HUS
受診の8日前から腹痛や血性下痢あり、嘔気も続くためER受診。Cr 7台と高値で精査加療目的で入院となった。

鑑別
まずはAKIから鑑別

腎前性AKI
AKIの多くは腎前性である。腎臓の血液還流が減少することでGFRが低下する。
尿細管機能は正常であるためNaと自由水の再吸収が行われ乏尿となる。

腎前性の多くはVolume depletionが原因。
NSAIDsはプロスタグランジンの産生を抑え輸入細動脈が締まるためパターンとしては腎前性の所見となる。

FENaを計算したり、沈査をみたりすることが鑑別の手がかり。またたいていはBUN/Crは20以上となる
腎前性AKIでは輸液によりAKIは改善するがこの患者では改善なかった。

 

腎性AKI
感染後糸球体腎炎は小児のAKIの原因としてありうる
この患者のプレゼンテーションとしてはRPGN様だった
PIGN以外のRPGNの原因としては抗GBM病やANCA関連血管炎がある
急性間質性腎炎では好酸球や白血球円柱がでてくる
ATNは腎前性AKIが持続する場合に尿細管にダメージがでるため起きる
HUSも鑑別に挙がる

 

貧血
この患者は受診時Hb 11台と低値だったハプトグロビン低値やLD高値は溶血を反映している

 

血小板減少
血小板減少の鑑別はまず2種類に分ける
血小板産生低下と血小板の不適切な破壊である

不適な血小板の破壊ースメアで大きな血小板がみられれば破壊亢進の疑い

破壊亢進パターンだと
脾機能亢進、免疫関与、消費亢進
免疫関与(ITPなど)ではかなり低値となるためこの患者は5万台と高めでUnlikely、脾臓のサイズも正常であったため消費亢進の病態が考えられた
消費亢進パターンの代表はDIC,HUS,TTP

血性下痢
IBD,メッケル憩室、感染性(サルモネラ、エルシニア、カンピロバクター、STEC) STECでは最初は水様下痢で始まり、数日して血性となる

診断
末梢血スメアで破砕赤血球あり、シガトキシン1,2はNegative、腎生検ではTMAパターンだった
TTPを除外するためADAMTS13を測定すると64%だった(基準値は70%以上) ただしTTPはたいてい10%未満となる
この患者ではHUSが考えられたがシガトキシンは陰性だった
Typical HUSとAtypical HUSの鑑別方法はTypicalは10歳未満に多く、腎機能は元に戻ることが多い
AtypicalHUSは環境要因と遺伝要因が合わさって発症する⇒参考https://ghr.nlm.nih.gov/condition/atypical-hemolytic-uremic-syndrome#genes
治療はエクリズマブでおこなった。補体C5に対する抗体であり、髄膜炎菌感染症のリスクが飛躍的に上昇するためワクチンを打っておく必要がある
エクリズマブ治療を行わないとESRD進展への高リスクである