COPD 総論まとめ

Annals of Internal Medicine

In the Clinic

Chronic Obstructive Pulmonary Disease

doi:10.7326/AITC202008040

 

 

COPDの診断基準に気管支拡張薬吸入後の1秒率が70%未満+その他の閉塞性疾患の除外

画像所見はあてにならないこともままあり、診断にはスパイロが必要

 

COPDは喫煙との関連があるものの、25%の患者は喫煙歴がない。

喫煙以外では大気汚染、化学物質の吸入、煤などもCOPDの原因となりうる。

遺伝性疾患ではα1アンチトリプシン欠損症が若年発症のCOPDの原因になる。

 

無症状の患者に対するスクリーニングは勧められていないが、未診断・無症状の患者もおり本人の自覚はないが日常生活の活動制限がみられる。

 

スクリーニングには下記の5つの問診を行うとよい

  1. 汚染環境や汚れた大気の環境での業務、喫煙、副流煙への曝露があるか?
  2. 季節や天候、空気の質により呼吸状態が変わるか?
  3. 坂道や雪道のウォーキング、ジョギング、テニス、スイミングの際に呼吸困難で中止しなければいけないことがあるか?
  4. 同年齢の人と比較し疲れやすいか?
  5. 過去12か月以内に風邪や気管支炎、肺炎で何度出勤や登校を控えなければいけなくなったか?(この項目のみ2p)

 

0-1pはCOPDや1秒率60%未満のおそれは非常に低くこれ以上の精査の必要なし

5-6pは問診からほぼCOPD

上記0-1p,5-6pはスパイロ不要、2-4pがスクリーニングの対象となる

Crit Care Med.2017;195:748-56.

 

スパイロ

重症度は1秒率で

80%以上 軽症または非COPD

50-79% 中等症

30-49% 重症

30%未満 超重症

肺活量やDLCOも診断の参考になるがかならずしも必要ではない。

肺活量高値⇒Hyperinflation

残気量高値⇒Air trapping

低DLCO⇒肺気腫によるガス交換障害

 

 

末梢血で好酸球増多がみられる場合吸入ステロイドICSへの反応は良好であることが多い。

画像検査はCOPDの診断には使えないが肺塞栓や気管支拡張症などその他疾患の診断に使う

 

喘息とCOPDの鑑別は

喘息

発症は若年で非喫煙者、症状は多様で夜間のみ、日中、季節ごとなど

トリガーがあり運動、寒冷刺激、空気中のアレルゲン曝露、アトピーの家族歴

 

COPD

人生の後半で発症、喫煙歴、湿性咳嗽、吸入薬への反応はあまりよくない

 

どちらの要素もある場合asthma–COPD overlapと呼ばれる。

 

 

治療

禁煙により

・気管支拡張薬への反応良好

・肺機能低下のスピード減弱

・死亡率低下

 

吸入薬

気管支拡張薬とICSが長期マネジメントに重要

 

また呼吸器リハ、インフルエンザや肺炎の予防ワクチン

 

 

COPDの急性増悪

急性増悪は細菌やウイルスによる呼吸器感染症を契機に起こることが多く、それら以外だと環境因子(寒冷、アレルゲン)や肺塞栓でも起こることがある。

治療にはABC(抗菌薬Antibiotics ,気管支拡張薬βStimulator, C内服ステロイドCorticosteroid)

ステロイド投与に関して経口と経静脈投与を比較したRCTがあるが有意差はない

 

 

COPD+肺気腫では長期的な酸素療法が必要になることもある。

酸素療法の適応は次のうちどれかを満たせばOK

・安静時にSaO2 88%以下 or PaO2 55mmHg

・運動時にSaO2 88%以下 or PaO2 55mmHg+酸素投与で低酸素が改善

・睡眠時にSaO2 88%以下 or PaO2 55mmHgが5分以上持続

・SaO2が5%以上またはPaO2 10mmHg以上低下した際に低酸素による症状出現

 

 

それ以外の治療法

Lung volume reduction surgery LVRS

肺気腫などですでに機能が損なわれている肺を切除することで肺機能の改善が望める。

適応は

呼吸器リハビリテーションを行ったが改善に乏しい

上葉の両側性肺気腫がCTでみられる

肺機能検査で肺活量が予測値の100%以上、残気量が予測値の150%以上

気管支拡張薬吸入後の1秒率が45%未満

室内気でのPaO2 45-60mmHg

 

1秒率が20%未満の患者はLVRSでの周術期死亡リスクが高いため行わないほうがよい。

 

 

気管支鏡的肺容量減少Bronchoscopic lung volume reduction BLVR

気管支内にバルブを留置し意図的に無気肺を作り出しVQ mismatchを改善させる

LVRSに比較して肺気腫の場所は問わない点が強み。

BLVR後に気胸になる率は30%と高く、特に留置して数日に起こりやすいため留置後は3日間は入院経過観察が必要。

 

 

肺移植