片頭痛

片頭痛の病態生理

Physiol Rev 97: 553–622, 2017
Published February 8, 2017; doi:10.1152/physrev.00034.2015

 

生涯罹患率15-18%
男性:女性=1:3

特徴
片側性、拍動性の頭痛
運動・視覚・聴覚などの求心性の感覚異常あり
疲労感、いらいら、集中力低下、体のふらつきなどが頭痛に先行しておこる
症状は72時間以内に改善する

臨床症状
4つのPhaseに分かれる

Premonitory phase
頭痛症状の現れる最大72時間程度前からイライラ、疲労感、食べ物を貪る、ふらつき、行動やMoodの変化、頚部のこり(Stiff neck)、音恐怖などの症状出現。ときに頭痛が改善したあとのPostdrome phaseにも残ることがある。
これらの症状は視床下部が関与していると考えられる(有症状時にH2O PETで視床下部の血流増加がみられる)

Aura phase
片頭痛の3分の1では変動する神経症状(神経脱落症状)がみられMigraine auraとよばれる。
可逆性であり、片側性の症状が5-60分持続する。26%の患者は1時間以上Auraが続くことがある。5%程度で4時間以上のAuraがみられる。
Auraには種類があり最も多いのはVisual auraで閃輝暗点fortification spectra, 暗点scotoma、もしくは両方が90%の患者でみられる。そのほかに感覚・運動・構音・脳幹症状なども出現することがある。

Headache phase
片側性の拍動性頭痛が4-72時間持続する。無治療でも72時間以内に症状が改善する
頭痛は活動で増悪する

Postdrome phase
頭痛後に疲労感、集中力低下、首のこりなどの症状が出現する。

視床が感覚・運動・視覚にかかわるためAura症状などが出現していると考えられる


N Engl J Med 2017;377:553-61.
DOI: 10.1056/NEJMcp1605502

・前兆は視覚変化、しびれ、構音障害、めまい、allodynia(皮膚接触で不快感)視覚症状⇒https://www.youtube.com/watch?v=RKf9sBpOnCI・1時間以上続く前兆、72時間以上続く頭痛は片頭痛ではない
50歳以上の頭痛は片頭痛でなく二次性頭痛を考える
・生活指導は規則正しい食事、睡眠、運動、カフェインを取らない
・規則的なカフェイン摂取は片頭痛予防に効果あり
・日常的にカフェインを摂取している時は慢性片頭痛や鎮痛剤のrebound headacheを起こす
・片頭痛診断には頭痛より光・音過敏性、嘔気、機能障害の方が役立つ
・片頭痛の起こる機序は不明 血管拡張が関与していると考えられていたが現在は否定されている
・家族歴の聴取が有用 片頭痛に関与していると考えられる遺伝子多型が確認されている

・片頭痛では頸部痛、嘔気、羞明(photophobia)、音声過敏(phonophobia)もある
・片頭痛発作で脳虚血や脳梗塞が起こることは極めて稀
・SSRI、PPI、経口避妊薬、HRT、鼻粘膜血管収縮剤、オピオイドは片頭痛のリスクファクター
・Triptansは前駆期に開始NSAIDs併用も可 制吐剤併用
・2時間での頭痛消失率:triptan9-32%,  acetoaminophen 9%, NSAIDs 7-20%
・Cefaly device (上眼窩神経刺激)は片頭痛予防に有効
・CGRP(calcitonin gene-related peptide)受容体のmonoclonal抗体が治験中