一過性脳虚血発作Transient Ischemic Attack TIA

一過性脳虚血発作Transient Ischemic Attack  TIA
N Engl J Med 2020;382:1933-41.
DOI: 10.1056/NEJMcp1908837
ABCD2スコアを使わなくなった、アスピリン内服開始は来院前・来院時すぐに行うところがポイントでしょうか
虚血性脳卒中に罹患する患者のうち20-25%がTIAが先駆している
以前のTIAの“一過性”の定義は24時間以内に改善することだったが、症状が10分以内に改善しても画像検査上脳梗塞がみられる場合は緊急治療の対象となるため“Tissue based”が現在の定義となっている。
⇒TIAとMinor ischemic strokeは臨床症状が似通っているため同様の扱いをするべきである。
TIAは治療無しでは3か月以内の脳卒中リスクは20%と高く、特に最初の2日間、10日間でリスクが高い。
TIAとして治療介入を行うと脳卒中リスクは80%も減少させることができる。
神経症状は
Motor 前頭葉 錐体路
Sensory 頭頂葉
Visual 片眼性なら網膜虚血、両側性(半盲)なら側頭葉、頭頂葉、後頭葉
Speech
ときにその他(めまい、複視、歩行障害、記憶障害)
TIA mimicの鑑別は片頭痛、末梢性めまい症、てんかん、低血糖、一過性全健忘、MG、頚椎症、末梢神経障害、多発性硬化症、低K血症、アミロイドアンギオパシー、クモ膜下出血や脳出血
TIAが疑われる患者ではMRIのdiffusion-weighted imaging DWIが診断に最も有用
TIAが疑われる患者のうち50%がDWIでBright spotをみとめる
DWI陰性ならperfusion- weighted imaging PWIを実施する。DWI陰性のうち30%がPWIで虚血性病変を見つけることができる
TIAと診断したらABCD2スコアをつける
Age ≧ 60  1p
BP ≧140/90mmHg  1p
Clinical feature of the TIA  Unilateral weakness 2p , Speech disturbance without weakness 1p , Other symptom 0p
Duration of symptoms   60min≧ 2p , 10-59min 1p , 10< 0p
Diabetes  1p
しかし2019年にNICE guidelineではトリアージでのABCD2スコアは非推奨となった。

TIAの患者が来院したらまずアスピリンを300㎎内服させる。受診前に内服できた方がよい。
その後1日75-100mgの内服継続を90日行う。
アスピリン+クロピドグレルによるDAPTはアスピリン単剤よりも脳梗塞リスクをさらに25%減少させる。最初の21日に関してはDAPTはアスピリン単剤と出血合併症のリスクは変わらない。2019年のAHA–ASA guidelineでもDAPTを推奨している