甲状腺機能亢進症の鑑別

甲状腺機能亢進症の鑑別に役立ちそうな文献でした

 

doi:10.7326/AITC202004070

 

甲状腺機能亢進症のリスク
甲状腺腫大
1型糖尿病
自己免疫性疾患
甲状腺疾患の家族歴
アミオダロン、IFN-α,IL-2,リチウム,ヨード,ヨード造影剤,免疫チェックポイント阻害薬

スクリーニングでの甲状腺マーカー測定は推奨されない
甲状腺機能亢進症により発症ないし増悪する疾患がある場合に考慮
・骨粗鬆症
・心房細動
・SVT
・心不全
・50歳以上の女性

若年者の甲状腺機能亢進症はナーバス、発汗、熱に弱い、動悸、倦怠感、体重減少、呼吸困難、筋力低下、下腿浮腫、眼症、頻便

高齢者では症状は目立ちにくく倦怠感、うつ、体重減少、心房細動などapathetic
Thyrotoxicosis無気力性甲状腺機能亢進症

甲状腺機能亢進症関連疾患
・直近の妊娠歴は産後甲状腺炎のリスク
・頸部痛、倦怠感、発熱、咽頭痛は亜急性甲状腺炎の表現型
・前述の薬剤は薬剤性甲状腺機能亢進症リスク

甲状腺機能亢進症と診断したらその原因検索を行う
Graves diseaseの特徴(びまん性甲状腺腫大、甲状腺の血管雑音、甲状腺眼症)があれば必ずしもそれ以上の精査は必要ではない。

検査ではTSH,T3,4の他
サイログロブリン、ESR⇒甲状腺炎
TRAb(甲状腺受容体抗体)⇒Graves disease(sensitivity of 96%–97% ,specificity of 99%)

TPO抗体⇒橋本病、Graves disease含む自己免疫性甲状腺疾患
甲状腺ホルモン抗体(抗T3 , T4抗体)⇒橋本病
RAIU(radioactive iodine uptake)⇒TRAb陰性だが臨床的に甲状腺機能亢進症
Thyroid scan:RAIUが正常~上昇の際
甲状腺エコー⇒甲状腺結節がある場合に行う。Type1,type2の鑑別に有効
カラードップラー:アミオダロンによるtype1,2の鑑別に有効
全身Scan:機能性濾胞癌の検索
HCG:妊娠関連甲状腺機能亢進症の鑑別に

※アミオダロンに含まれるヨードは非常に多く、過剰なヨードによるJod–Basedow phenomenon でtype 1 amiodarone-induced thyrotoxicosisがおこる。
それとは別にアミオダロンには直接甲状腺障害をきたす作用があり、アミオダロンで治療された患者の5-10%に破壊性甲状腺炎がみられる。これはtype 2 amiodarone-induced thyrotoxicosisと呼ばれる。

鑑別表あり

Differential Diagnosis of
Thyrotoxicosis With the Use
of RAIU Test

High or normal RAIU
(hyperthyroidism)
• Graves disease
• Toxic multinodular goiter
• Toxic thyroid adenoma
• HCG-induced
hyperthyroidism
• TSH-producing pituitary tumor
• McCune–Albright syndrome

 

Low or undetectable RAIU (other
types of thyrotoxicosis)
• Silent thyroiditis
• Postpartum thyroiditis
• Subacute (granulomatous)
thyroiditis
• Iodine-induced
thyrotoxicosis
• Amiodarone-induced
thyrotoxicosis
• Iatrogenic thyrotoxicosis
• Metastatic follicular thyroid
cancer
• Struma ovarii