眼窩の炎症の鑑別

N Engl J Med 2018;379:2452-61.
DOI: 10.1056/NEJMcpc1807503

 

18歳男性 左目の複視、眼球突出
診断:GPA 肉芽腫性多発血管炎

18歳男性が月~年の経過の眼窩の炎症や痛みの訴えあり。眼窩の炎症は外眼筋を巻き込み2次性に筋炎をきたした。

 

鑑別
眼窩の炎症

甲状腺眼症
多くの甲状腺眼症の患者はHyperthyroidだが中にはHypo,euthyroidの患者もいるため検査値での否定はできない。
甲状腺眼症で肥大が起きやすいのは下直筋、次に内側直筋や上直筋、一番Spareされるのは外側直筋である。
典型的な甲状腺眼症では上眼瞼が巻き込まれ、角膜上縁の強膜が観察可能となる。

 

サルコイドーシス
サルコイドーシスでは眼窩病変には4つのパターンがある
涙腺炎がもっともコモン
眼窩の脂肪織炎
視神経鞘の炎症(Neurosarcoidosis)
外眼筋の炎症

サルコイドーシスではACEとLysozymeの測定を行うがどちらも感度特異度ともに高くない。サルコイドーシスの眼病変はステロイドへの反応が良好なことが多い。

 

IgG4関連疾患
IgG4RD患者の4分の1が眼窩病変をもつ
涙腺・眼窩脂肪・外眼筋・視神経・眼窩下神経なども巻き込まれることがある
患者の半数はIgG4が高値となる
IgG4RD患者のIgE高値となる例があり、IgE高値例の半数がアレルギー性鼻炎や喘息などと関連をもつ。
IgG4RDと組織診断される患者の25%以上で顎下腺の病変をもつ。

 

GPA
GPA患者の半数に眼窩病変がみられる
ANCAが診断に有用だが眼窩病変を持つ患者での陽性率は20%程度
副鼻腔の破壊性病変もみられる

 

特発性
除外診断になる
両側に病変が出現するのは10%程度
グルココルチコイドが奏功する

 

この患者では生検で組織壊死がみられ、壊死性血管炎はないものの壊死性肉芽腫性筋炎がみられ、グルココルチコイド単剤では寛解が得られない点がGPAらしさあり
リツキシマブ+プレドニゾンで治療行なった
(40年間GPAの治療はシクロフォスファミド+プレドニゾンだったが2010年のRAVE trialでリツキシマブの非劣性が示された。)